「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
別のエントリーでも書いたんだけどこの作品、本人は出ないんだけど「回向院の茂七」親分がなんと米寿だという事で紹介されます。 実際にはその一の手下の切れ者政五郎が登場し、また、何とも言えない記憶力抜群の少年「おでこ」が良い味を出しています。 少年と言えば準主人公的役回りで、平四郎の養子候補である弓之助も魅力的なキャラ。
本編なかなかに長いんですが、これら個性的なキャラが入り交じるのと、長編の体裁ながらも短編の集まりでもあると言える(ただ、「長い影」は長い)ので、テンポが悪くならず、楽しんで読めます。 いやぁ、ホント宮部みゆきはすごいや。
ということで読了しましたが、次に読むのも宮部みゆきなんだなぁ、これがまた。