談志楽屋噺

楽屋は、芸人にとって人生の重要な修業の場でもある。立川流家元の著者は、現在、落語協会、芸術協会が取り仕切る寄席に出演出来ない。30年余を過ごした寄席での楽屋への深い愛着と、そこで出会った有名無名の芸人たち。愛憎入り乱れて描く、狂気の男、純粋な男、小心な男、破廉恥な男たちの、面白くて哀しいエピソード集。

前にDVDをレンタルして立川談志の落語を観てみたところ、正直私の趣味には合わず、すごく悲しかった覚えがありまして、人(キャラ)としては好きなんだけど、本職の落語は好きになれないというジレンマすらがヤになっちゃったところなんですが、それでもふとこの本を買って読んでみたです。

単行本としては昭和62年に刊行されたのだそうな。 平成じゃなくて昭和、その終わりの頃なのね。

とてもサバけた文体で、脱線が持ち味なのでそれが好きか嫌いかで分かれていくものがあると感じながらも、全体に粋な空気が流れています。 内容も面白く、時にどきっとするような洞察がさらっと記されていたりなんかして、とっても侮れない。

こりゃ評価しなおさなくちゃだなぁって思ってるのだけど、もう落語はいいやっていうのも本心。 目下YouTubeのTOKYO MXチャンネルの「談志陳平の言いたい放だい」に注目し始めております。