引っ越し作業をしつつ、ずっと脳内iTunesで流れていたのは、Gongの(最初の)再結成ライブの模様を収めたこの1枚の1曲目であり、恐らくGong史上最高のテイクであろう「Can’t KIll Me」でありました。
だもんでさっきリアルiTunesで聴き直してみたところ、以前とは違った印象を受けたもんなんではありまして。
ところでこれ、今アマゾンでは取り扱ってはいないみたいですけれども、リアルマーケットでも廃盤扱いなのかなぁ? これは名盤だと思うし、その後散々出されたGongの音源の中でも突出し評価されるべき出来映えなんだけど...。
閑話休題、以前聴いたときは、随分と耳に馴染む音質だと思ったんです、内容それよりも。 初めて聴いた折り、1曲目の最後で歓声があったのでようやくに「これライブなのか!」って思った私も私ですけれども、それよりなにより、耳に馴染む感じだったんですよね。 なんでだったんだろう。
というのも、これを購入した当時、まだ私はバンドをやってまして...じゃなくて、学生時代のバンド気質をほんの少しだけ残しつつ、1回限りのライブの為に曲を作らなくちゃならないような、すごく素人臭いような、でも音源だけは色々と聴いているぜ!みたいな、ヤな感じの人だったんですよね(今では普通のリスナー)...、ともあれ曲を2曲作らなくちゃならなくて、どうしようどうしようって感じだったの。
そんな頃にこの作品を買っちゃって、すごく困っちゃったんです。 めんどいからそのバンドはGongっぽくすればいいじゃん。 (Gong) est mortっぽいのでいいじゃん。 ってそういう安易な案が出ちゃう程、存外Gongをなめてかかってたのかも知れないです。 今考えれば、Gongっぽいのって...どんだけ力量が要るのか。
でもね、そのバンドでは言えなかった。 Gongっぽくやろうぜ!って。 だってまさかこのest mortを聴かせる訳にはいかないでしょ。 Inner Templeっぽいのがいい!こういうのやろう!とかさ、言えればいいけど、それだけカセットに録って聴かせるのもめんどうくせーし、って。 確かギターの人には聴かせた事があるし、すごく興味持ってくれたような記憶はあるなぁ。
だもんでってぇのと曲作る時間が押し迫られているのもあって、妥協案として「ジリ・スマイスと、テンポのゆるいの」を抜いたのを書いた。 そうなると、すごくハードコアになるのを知ってて。
普通にハードコアパンクの曲を書けばそれはそれでいいし、「コアパンの曲でーす」って言えばいいだろうけど、当時私は内外共にサイケ男であったんで(今もか)、その辺を練習スタジオで突っ込まれるもがとてもイヤだった。 なんでサイケ野郎が安直にコアの曲を書くの?みたいな。
ということで、結局はそのライブは大失敗だったんだけど、曲的には「ジリ・スマイスと、テンポのゆるいの」を抜いて、「とてもハードコアな感じ」が大部分で占めるような、でも俺としてはGongの例えば「Sprinking of Clouds」っぽいのが全然出来なかった
暗黒時代
だったの。 このトラウマはずっと引きずってて、その後昔の映画とか観て、フリーな演奏を観るたびに思い出すもんです。
そんなこんなで、私自身はGongをこう評価していて、でも先のバンドのあれこれとは別だよ、っていうのを最後にリンクします。 つったってね、まさかこの引っ越しで脳内iTunesでGongが出るとはなぁ、