いつの間にかDVD化されていた。 2月に発売になっていたという。
鬼才・若松孝二、足立正生監督らがレバノンの赤軍派、PFLPと共同し、パレスチナ解放のために闘うアラブゲリラの日常を描いたドキュメンタリー。未だ話題の人物である元赤軍リーダーの重信房子のインタビューなど貴重な映像を満載した1枚。
これはねぇ、かなりミモノだと思うんですよ。 そもそもカンヌ映画祭の帰り道にレバノンに寄るっていうのがすごいんだけど。
「世界革命のためのニュースフィルムであることを目指すため、既存の劇場公開を拒否し、全国各地の大学や工場などで独自の上映運動が行われた。」というだけに、ニュースフィルムっていうかニュースフィルム以上にニュースフィルム然としてて、エンドクレジットとか無くていきなり終わるとか、「映画」として捉えるとあまりに乱暴で前衛ですらあります。 素晴らしい。 編集は殆どが足立正生の手によるものだったそう。
ただ、語られる内容は殆どが革命的極左的意味不明で、一番意味不明だったのが日本人である重信房子であったっていうのもすごい話ではありますけれども、それでもなんでも戸浦六宏だ中島葵だのナレーションっていうので何となく納得しちゃえるのが奇妙。
国内で見れば、もう既に赤軍派はハイジャックだの銀行襲撃だのをやらかしておりまして、それはそれでとんでもない集団なんではありますけれども、それらをあっけらかんと喋るあたりが呑気っていうか時代っていうか。
統一赤軍がどうこう...ってありまして、まだ連合赤軍ではなく、レバノンでの赤軍派はまだ日本赤軍ではない、それらの直前の事なんですよね、この映画が映し出しているのは。 撮られた直後に山岳訓練として撮影された部隊は壊滅し、そしてテルアビブ空港乱射事件を経て日本赤軍が結成され、一方国内では連合赤軍が決定され...という。
書いてて憂鬱になってしまった。