ラジ「Heart To Heart」

女性シティ・ポップ・シンガーの代表格、ラジが1977年に発表したソロ・デビュー作。プロデュースは高橋幸宏と後藤次利で、坂本龍一、鈴木茂、今井裕による演奏のほか、南佳孝とのデュエットも収録した豪華な1枚。

「The Tokyo Taste」がその「南佳孝とのデュエット」なんですが、まさにこれを目当てに買ったんです。 サディスティックスのそれと比較したいと思いましたし、サディスティックスのそれで聴かせたすごく素敵な歌声がCD全面に行き渡ってるのかなぁって思って。

しかし、「The Tokyo Taste」は女性ボーカルがリードを取る楽曲ではなかった事実をこのCDで確認したんです。

Tokyo = 東京 = 日本という流れで、いかにも邦楽的な解釈が成り立つとは思います。 しかしながらこの楽曲のメインボーカルは男性であり、且つ非日本語圏が際立つ必要があるんです。 その上で演奏されるからこそ、逆説的に

Tokyo Taste

と成立するんではないでしょうか。

ただ、興味深いのは、映像として残ってる「The Tokyo Taste」は、かなりこのラジのソロワークでのテイクに近いんです。