穴屋佐平次難題始末

本所緑町の通称“夜鳴長屋”。夜鳴そば屋よろしく、深夜になると動き出す珍商売を営む人々が住んでいる。そのうちの一軒に奇妙な看板がかかっていた。“穴 屋/どんな穴でも開けます/開けぬのは財布の底の穴だけ”看板の主・佐平次のもとに、絵師を名乗るひとりの老人が訪れた。ろうそく問屋・大黒屋の囲い者、 絶世の美女を覗きたいという—。

文庫本1冊で完結。 この位のボリュームだと後腐れが無くて著者らしさが出るような気がします。

本当にこの著者は意表を突く。 意表を突き、斬新なアイデアと設定で「突進」する。 この話だって、主人公が「穴屋」だもの。 ネタバレになっちゃうから言えないけど、それなりの人が「穴屋」っていう、そのギャップも後々味を出してくる。 穴屋って何だ?穴屋でどんな話に展開するんだ?...って、もうツカミはOKなんだよねぇ。

7つの物語が収録されており、話を重ねるごとに登場人物が絶妙に絡み合い、最後はかなり興味深い大団円なんであります。 今まで読んだなかで一番面白かったなぁ。