『高校大パニック』
大学入学後に石井監督が郷里の福岡で撮影したデビュー作。加熱する受験戦争と管理教育に抑圧された高校生が、猟銃を手に学校を襲撃する。全編にみなぎるパワーとスピーディーなアクションで、それまでの自主映画の観念を塗り替えた衝撃作。『1/880000の孤独』
東 京の片隅で予備校に通う浪人生。大学受験までのカウントダウンは始まっているが、未来はまったく見えない。鬱々と日常生活を送る彼に、暴発の瞬間は突然 やってくる…。救いのかけらもない衝撃の結末で観る者を凍らせる、石井聰互のフィルモグラフィ中、最も陰惨かつ暴力的な問題作。
私は基本的に、自主**だから商業**に劣っても良いとは思わず、唯一思えるのが金銭的な問題だけで、それだけが唯一差し引けるものだと考えています。 勿論、金があればあれこれ出来るのでしょうけれども、逆に金を掛けたから全部が全部素晴らしい作品に仕上がると言ったら、そりゃ全くそうではない事も知っています。
ですから、作品は金が掛かったかどうかで判断するのではなく、アイデアであったりトリックであったり、パッションであったりで判断するべきなのかな...いや、単純に「金掛かった度」を軒並み0にしちゃえばいいのかな、って。
高校大パニックは、大学時代に撮影したデビュー作との事。 学生がライフルを手に学校にやってきて教師を殺害し、女子生徒を盾に立てこもり、逮捕される、というもの(抑圧がどうこうっていうのはわからなかった)。 唯一それらしき筋書きは「受験がある」とか「ラジオ講座が」というの最後の台詞で、それでなんとなく全体像がわかる。 それにしてもすごいのが、音声が1チャンネルらしくて台詞とBGMをトラック的に合成していない事。 だのでBGMが唐突に切れて台詞が聞こえ、また唐突にBGMが始まって...みたいな風になるんです。 これが妙な臨場感を醸し出し、見ていて鬱になってしまう...。
1/880000の孤独、は、まずタイトルが良いなぁと思って見はじめたところ、あまりの悶々さに途中で止めようかと思った程。 延々と主人公のピュアな悶々が続き、最後に爆発してしまうんです。 爆発してみてやっとこさ、この作品の監督が誰だったか思い出しもし納得もし、原点を再確認しちゃったりもし。 これは確かに陰惨。 フィルムの肌触りと相まって相乗効果、であります。 孤独、だよねぇ、都市生活者の孤独。 これはそのままサラリーマン版も作れちゃいそう。 いつでも狂気の芽を孕んでいるんですよね都市生活者は。 私もそうだったなぁ(んで長野県に強制リタイヤさせられちゃう、と)。