手ほどき冬馬事件帖


「手ほどき冬馬事件帖」ってぇのがタイトルで、「ふうらい指南」「雨の刺客」「ふうらい秘剣」はサブタイトルだったんですね。 何も考えずに読んじゃってたという。 不思議な表紙ではありますが、一応ナンバリングの順に読了。

風野真知雄という名前はもしかしたら「はっぴいえんど」というか風街にちなんでるのかな? 1951年生まれっていうと丁度青春時代にそん頃でしたものね。

それはさておき「手ほどき冬馬事件帖」、これまた斬新な設定であります。 時代物ですんでかなりの設定上の制約があろうかと思いますけれど、時代物だからと厳密に厳密に捉えず、著者の縦横無尽で闊達な設定に「飲み込まれ」つつ読み進めるととても楽しめます。

自分の道場を持たず、外で稽古をするっていうのがすごいよね。 しかもそんな環境に見合った稽古の内容みたいですし、必ずしも稽古が実って云々という展開にならないところが興味深く、ついつい読んじゃって、あっというまに1冊読んじゃった!みたいな。

(以下、アマゾンからの引用であります)

「ふうらい指南」
真夏の江戸。大川が江戸湾に流れこむ鉄砲洲で、日がな釣りを楽しむ四十半ばの武士—元火盗改め同心、矢沢冬馬である。武芸百般、悪党に恐れられた凄腕の剣 士であったが、大捕り物の最中のある出来事により火盗改めを引退。息子に家督をゆずり、釣り三昧ののどかな日々を送っていた。命を賭す激務から解放された 冬馬であったが、死線をくぐり抜けた身体は平穏な暮らしにいまだ慣れず、ふとした事情から、武芸の個人指南をはじめるのだが…!?武芸指南に持ちこまれる 市井の様々な難題を、冬馬の鮮やかな剣閃と人情で解決する!剣あり恋あり笑いありの痛快時代小説。

「雨の刺客」
元火盗改め同心の矢沢冬馬は、釣り三昧の平隠な日々に飽きたらず、武芸の個人指南を始めた。凄腕の剣客として知られた冬馬は、武芸指南を通して市井の事件 を次々に解決していく。真冬の江戸。釣りの帰りに暴れ馬を静めた冬馬は、さる大名家の若殿から馬術指南を頼まれた。馬を乗りこなし、ある賭けに勝ちたいと いう奇妙な依頼であったが…。指南に明け暮れるかたわら、火盗改め長官から賊探索の密命を受けた冬馬に、哀しきさだめを背負った凶手が襲いかかる!やがて 浮かびあがる、驚愕の真相と意外な黒幕—避けられぬ宿命の決闘に、冬馬の編みだした二刀の秘剣が閃く。

「ふうらい秘剣」
かつて、火盗改めの鬼と呼ばれていた元同心、矢沢冬馬は、江戸八丁堀で武芸指南を営む凄腕の剣客。四十半ばにして家督を息子にゆずり、釣り三昧ののどかな 日々を送るかたわらで、市井の様々な難題が冬馬のもとに持ちこまれる。ある日、武芸の手ほどきを依頼された冬馬が、約束の場所に向かうと、そこには依頼人 の無惨な斬殺死体があった。駆けつけた旧知の同心、須田剣一郎に事情を説明するも、殺しに使われた刀は、間違いなく冬馬のもの。嫌疑の晴れぬまま、須田と の親交を深める冬馬であったが、悪党の凶刃は冬馬の身近な者へと襲いかかった。怒りに震える冬馬の秘剣が、許せぬ悪を裁く。