松本サリン事件からすでに7年。犯人視された会社員の弁護士が、実際に弁護活動に使われた供述テープなどの記録を公開し、冤罪物語の裏にある捜査、報道、市民の残酷な心理などを暴く。
先日、事件現場周辺を来るまで走りまして、あまりの道の狭さに現場そのものは見つけられなかったのですけれども、そんな位に道狭小、家密集な地でそこいらの住民がサリンを生成してどうこうっていうのは、危険というより無謀で、自殺の為ならいざしらず...ってそれですら無謀だって位に無謀だ無謀だ無謀です。
この事件においては真犯人は勿論の事なれど、警察の初期捜査の誤りが引き起こした冤罪事件であった事が事件を事件たらしめる要因になっておりますが、本著ではマスコミの横暴さについても記しており、その点非常に興味深い。 弁護士らしく資料的な意味合いも強く、その冗長なところは適用に読み飛ばすにしても、一気に読み通せました。
とかく警察不信、マスコミ不信になっちゃう訳ですけれども、無理して信じるものでもなく、同じ人間の「行為」であるから尚一層、物事を鵜呑みにしないよう気持ちを新たにするのではありました。