<真田幸村が放った必勝の奇策とは!?/密命を受け、根津甚八・海野六郎らは八丈島へと向かった!>
慶長十九年(一六一四)、徳川家 康との戦さの気運が高まる中、豊臣方の武将が続々と大坂城へ入城していた。大坂の陣の幕開けである。だが真田幸村は、一抹の不安を覚えていた。大坂城には 総大将にふさわしい器を備えた人物がいないのだ。「あの方しかいない」幸村は密かに根津甚八らを流人の島・八丈島に向かわせる!狂気の総大将を描く、もう 一つの「大坂の陣」。
真田幸村の伝説的というか創作的な面っていうのは風野真知雄に最適なんじゃないでしょうか。 のっけから真田十勇士が出てきちゃうし、いきなり佐助が死んじゃうんです。 その後大坂の陣に行き着くまでに相当数が死に、読んでるこっちが心配する程。
恐らく厳密に歴史をとらえる人にはこんな奇想天外な小説は邪道そのものだとされるんでしょうけど、言ってみれば「今柴錬」なんです。 いたや柴田錬太郎よりも風野真知雄の方が私は好きだ。
それにしても真田幸村が狂言回し程度であんまりフィーチャーされていないのは著者ならでは、って感じ。