じゃがたら

新装のがあるらしいですけど、私が読んだのはこっち。

著者は80年代にカルト的な人気を誇ったバンド「じゃがたら」のボーカリスト、江戸アケミの精神が、1人でも多くの若い人たちに引き継がれるよう本書を書 いた「アケミと同じハートの『知能指数』でもってアケミのことを事後的に知り、独特の嗅覚でアケミに接近してくる連中にバトンを渡すために『ナンのこっ ちゃい』というビデオはある」という「じゃがたら」のギタリストだったOTOの言葉に喚起されて。アケミと親交のあったこだま和史、町田康、、大熊亘へのインタビューなど、著者は可能な限り克明に「じゃがたら」の奇跡をたどっている。本書の約4分の1を占めるインタビューはとても興味深い。

私にとってじゃがたらは「君と踊りあかそう日の出を見るまで」までで、そこを一越えしたとしてもメジャーデビュー前までで、それ以降は殆ど興味もないし、曲を聴いてもさほどなんとも感じない。

それでもアケミが死んだのを知ったのは、バンドの練習明け、喫茶店で朝食を食べながら開いたスポーツ新聞で、でありました。 その時はどういう訳か「あーまた死んだのか」と思ったもので、よくよく考えてみますと私にとってアケミとは、帰郷するまでであったのだと気付くのでもありました。

このじゃがたの本は前々から読みたいと思っておりましたけれども、何せ高いので躊躇しっぱなしであったところ。 読んでみましたところ、著者の主観を除けばとてもとても貴重な資料的価値を持った証言集、インタビュー集であります。

何故「痴人」R嬢という記し方だったのか。 白いライオンや鳩と烏の事。 岬で待つわ、が好きな人がいて嬉しい!とか、なんかあれこれあれこれ、みんなじゃがたらが好きだったんだなぁ、いじけちゃダメなんだなぁと読了後感じたのでございましたとさ。