三年前の大火で父親が行方不明になり、叔父の下で岡っ引きの下働きをしている喬太。下手人が川を歩いて逃げたという殺傷事件を調べている最中、数多の戦火 を潜り抜け、体中に傷痕をもつ不思議な老人に出会う。人は水上を歩けるのかという疑問に、老人が語った「水蜘蛛」なる忍者の道具。その時、喬太の脳裏に浮 かんだ事件の真相とは—。老爺の知から生まれる青瓢簟の名推理。
最初地味で、しかもこれ1冊で終わりそうだったので、途中で読むのやめようかと思った程ながらも、読み進めると当たり前のように熱中してしまい、気がついたら読了。 2冊目が既に刊行されているのでそのうち買うとして、この1冊目では「いきなりガツン!」とインパクトを読者に与えるのではなく、蛙の入浴のようにじわじわと外堀を埋められるようなマゾ的快感があると言えそうです。
和五助、考えてみると相当怖いんだけど。