突撃!博多愚連隊

偶然にも一丁の拳銃を手にした1人のチンピラ。彼はやがて無数の暴力団員と警官隊を敵に回し、仲間と共に幼稚園の一室に籠城すると、強大な世界の圧力に無 謀な戦いを挑むのだった…。組織に裏切られ、袋小路に追いやられていくアウトローたちの怒りと情熱、そして人知れぬ孤独を描く、悲壮なまでの熱気に満ちた 大作。

博多が舞台なそうだからセリフは全部博多弁なのだろうけど、殆ど聞き取れない。早口なのと音質が悪いのとで。 それがまたいい。 リマスターされたと思うけど、それにしても随分な画質は8mmフィルムだからなのだそう。 それがまたいい。

それらを是としないのであれば、これは見られたもんじゃないと思います。 私は是とした。 デビュー作である「高校大パニック」に通じる雰囲気は、フィルム感の他にも幾つかの相似性があるようです。 ちなみにこれはジャンル分けするとなればヤクザ映画・・・もっと言えばチンピラ映画・・・なのでしょう。

疾走感がすごい。 セリフで畳み掛ける疾走感もありますけれども、実際に走る走る走る! それをカメラが追う! カメラを手持ちでずんずん追っかけていくもんですからブレるのは当然なれど、それが臨場感を高め、見ているこちらは引き込まれてしまうんです。

一番すごいと思ったのが、主人公の「おーしゃん」(?)が逮捕されるところ。 向こうから逃げてきて角をぐいーっと曲がって(カメラがパンする寸前に自転車に乗った子供が映りるのもすごいリアリティー)取り押さえられるのですが、このシーンがこの映画の中で一番の疾走感だと思います。

蛇足ですが、セリフもすごいのがあった。 拳銃の不法所持で捕まった元自衛官(で、むらさき満次の兄)が、その捕まった時(ここのカメラワークも秀逸!)に何言ったかってぇと、

「日本が危なーい!」
「日本が危ないんだぁ!」
「日本が危ないっ!」

だって。 ちなみに「日本」は「にっぽん」と読まれ(叫ばれ)ます。

そうだそうだ、博多のバラック然たる家並みも興味深いです。