SHOUT SISTER SHOUT

黒人音楽に接近遭遇したゼルダの新作。ビートはよりダンサブルに,表現はよりストレートに,という調子で,これまで以上に多くの聴き手を獲得できそう。でも,単なる音楽的な変化ではなく,もはや行動せずにはいられない,という危機感も伝わってくる。

22年も前のアルバム。 1988年と言えばまだ昭和で、ギリギリの昭和で、バブリーバブリーなお気楽時代だったんですね。 そんな頃ゼルダは(前作ライブ盤でも兆しはあったけど)ぐいっと黒人音楽への傾倒が高まり、明らかにビート感が変わったのでありました。

あわせて開放的にもなり、がしかしまだまだこれまでのゼルダを引きずるところもあり、その微妙なせめぎあいが結果として良いアルバム(というかアルバムに含まれる楽曲)のリリースとなったようにリスナーとしては感じたものでありました。

かなりポップで、これでゼルダを聴き始めてファンになり、一気に初期のとか聴いて呆然としちゃう不幸な女子を私は数人知っています。

それなりに以前からゼルダのファンだった人は、我慢できるのはここまでで、次作では匙を投げちゃう向きが多かったんですけども、この作品に限って言えば案外評判が良かった。 特に最後の曲が完全版で聴ける事と、ラス前の曲が大変感傷的で、んでもって最後の曲に繋がっていく感じが私はとても好きです。

懐かしいのー。 そりゃそうだ、22年も前なんだもの。