江戸を楽しむ – 三田村鳶魚の世界

荒木又右衛門や赤穂浪士仇討ちの真実、将軍家光「大馬鹿説」の真相、町奉行所の捕物の実際と自白第一主義の裁判、蕎麦から肉食まで、ゆたかだった江戸の食 生活など—。日本エッセイスト・クラブ賞受賞の近世史家が、江戸学の祖・三田村鳶魚の業績を辿りつつ、大名家史料など第一次史料をもとに、新たな江戸時代 像を描く。

三田村鳶魚(みたむらえんぎょ)の事はあんまり詳しくは知らないのですけれども、それでも全然読める本。 と申しますか多分、全然知らなくても読めると思います。 鳶魚の業績を「辿りつつ」であり「讃えつつ」ではありませんし、正直あんまり「辿って」いないようにも・・・。

ともあれこの本の元になったのは、あとがきでも記されているように、鳶魚江戸文庫の解説だったそうな。

一次資料を丁寧に解説し、鳶魚を筆頭に様々な評価を縦横無尽にあてはめて昇華させるそのスタイルは、読んでいてとても心地よい。 徳川家綱のくだりなんぞはその内容に驚いちゃったり感心しちゃったりでありました。

これも蘊蓄本になるのでしょう。 面白かったです。 何が面白いって、今後この本を読んだ事で他の時代小説などが一層楽しく読めそうですから。