存在は知られていたけど地味すぎて探す気にもなれなかった1冊を某所で発見。 読んでみると、地味というよりも番外編的な位置づけが合いそう。
本書は副題にもある通り、審判担当書記官の回想であります。 連合赤軍事件を受けて長野地裁に転勤し、被告のうち最年少であった少年の審判担当書記官になった折の回想録。
最年少であり当時16歳の少年を通した事件検証がメインであり、その他どうでもいい著者の家族の事とかを除けば、地味ではありますけど資料性は高いように思われます。
特に終盤がすごい事になっちゃってる。 事件から15年経ったある日、著者とその元少年が邂逅するのであります。 が、無残な結末を迎えて本書は終わります。 著者も苦悩しているみたいですが、単なる独り善がりでしかなく、それが本書の一番最後におさめられているもんですから、後味が最高に悪いものになってしまって。
ちなみにその少年の兄の回想録が、アマゾンで妙な値段になっている「連合赤軍 少年A」であります。 少年たちは3兄弟であり、一番上の兄は同志リンチ事件の犠牲者となり故人となっておりまして、残るは2人となっておりますけど、この真中の兄の言動から見るに、残された兄弟は没交渉っぽいですね。
そりゃそうだろ、普通。