原作は読んでいない。 読んでいないどころか私は江戸川乱歩を1冊も読んだことがない。
名探偵・明智小五郎を生み出した江戸川乱歩の怪奇長編小説を映画化。ある夜、小林は一寸法師のように小さな男が人間の腕を切り落とすのを目撃する。数日 後、行方不明だった三千子の腕が百貨店の人形に付けられていたことが判明、明智が捜査に乗り出す。
主人公の一寸法師を演じたのは和久井勉という方なのですが、経歴等詳しいデータがないみたいで、全くの謎。 出演作もごくごく少ないみたいですし。 それと、安西郷子がちょっと素敵。
なんていうだけの映画に見えるのですが、何せ1955年公開、今からざっと55年も前の映画なんですね。 モノクロで、原作もあいまっておどろおどろしく見せていますけど、幾つかの点で椅子からずり落ちてしまう事請け合いのB級映画。
先ず、主人公が一人二役っていうのはこの場合、思いっきり無理があります。 詳しくは書けませんけど、これは無理がある。 特にこの時代であれば無理も一層でありましょう。
んで、演者の演技がどうしようもない。 後々有名になる俳優さん達がバンバン出てきますけど、軒並み台詞棒読みで、とっても説明調。 一本調子でB級映画の真骨頂なんであります。 ホラーとかサスペンスの反対を突っ走ってしまっているんです。 いきなりカメラ目線になるのは素晴らしいけど(、映画としては狂おしく失敗)。
それにしても昔の東京を見せてくれるのも嬉しいです。 ゴミ回収とかね。 当時あぁだったかは私は産まれていないので知りませんけど。 そもそもタバコ屋の看板の文字が右から左で、他は左から右なんで、いかにも当時であります。 電話番号も市内局番が2桁ですし。
私の場合、取り敢えずはB級映画好きですし、昔の東京も好きなんですけど、それらが合わさっていなくても別段構わないんです。 でも合わさっていると個人的にはB級映画以上の評価をしちゃうんです、勝手に。
これはそういう意味でB級以上。 でもあんまりオススメしない。