百鬼斬り – 四十郎 化け物始末

化け物退治稼業で糊口を凌ぐ月村四十郎に、そば屋に毎夜現れる閻魔さま退治の仕事が舞い込んだ。騒ぎは四十郎の活躍で一件落着するが、なんと閻魔の正体は人間、しかも、かの北町奉行遠山金四郎の密偵だった。何故?さらには金四郎から行方不明になった西洋の大砲を探し出せとの密命が下る。南町奉行鳥居耀蔵と遠山金四郎との確執に巻き込まれ、深川一帯を歩き回る四十郎。そこへ謎の女が接近。敵なのか味方なのか?江戸の町を奔走する四十郎に突如刺客が襲いかかる。

あれば必ず買ってしまう風野真知雄作品は、時としてそれが2巻目だったりすることがあるんですけど、それでもそれなりに読めちゃって、なんとなく不思議な感覚があったりしながら読めちゃって、読了してから「これ2巻目?」と気付く事もあったりなかったり。 この「四十郎化け物始末」では、この巻の前に「妖かし斬り」というのがあったんですね。

ただ、この後はなさそう。 第三巻はなさそうです。 だってこの巻の最後で主人公が(略)。

それにしてもこの「四十郎化け物始末」は他とちょっと違う出来栄えで、化け物退治という職業の主人公ではありますものの、当人がつぶやくとおりに「心に闇 人が化け物…」なのであります。 よって化け物そのものが登場して退治されるのではない、というところがもしかしたら風野真知雄作品「らしさ」なのかも知れませんけれども。