MOONGLOW

79年発表の第4作。四半世紀近くも前に、前作もそうだが、一人ア・カペラで始めるというところに、現在につながる自身の音楽センスに対する自信と頑固さ (?)がうかがえる。ライヴを大切にし続ける姿勢は、寄席にこだわる噺家に通じるものがありそうだ。

オリジナルアルバムでいうところの一番最後の曲が一番好きなんですけど、アルバム全体では、前作から一歩引いてしまったような印象が強く、更には次のアルバムが思いっきり突き抜けてしまっているのもあり、「谷」なアルバムだと評価していました。

そしたらこないだ作業しながらBGMにして聴いてみますと、案外に良い。 案外に良い、と書くと失礼にあたりそうなんで言い換えると、通好みと言いますか渋いと申しますか、或程度年をとらないとわからない雰囲気がありました。

ただし、だからと言って印象が強くなる訳でもなく、今後も淡々と聴いてしまうアルバムなんだろうなぁ。 と思った次第。