太陽がいっぱい

貧乏なアメリカ青年トムは、金持ちの息子フィリップを連れ戻すため、ナポリにやってきた。フィリップにねたみを覚えたトムは、殺して裕福な生活を手に入れようとする。そして計画どおり殺害し、自殺に見せかけるが…。
原作は、パトリシア・ハイスミス。緊迫感あふれるサスペンスストーリーと、キレ味の鋭いどんでん返しがみごとだ。まばゆい地中海の太陽と海の輝きを背景に、屈折した青年の鮮烈な青春像を浮き彫りにする。主演のアラン・ドロンは、この映画でスターの地位を不動のものにした。冷酷なフィリップを演じるモーリス・ロネ、その恋人を演じるマリー・ラフォレの美しさも見ものだ。監督は名匠、ルネ・クレマン。アンリ・ドカエによる美しい映像と、ニーノ・ロータによる忘れられない名旋律が印象的である。

50年前の映画・・・と書くと古臭そうですが、実際古臭い。 この世ではないのではないかっていうくらいに隔世の感。 カラー映画のあの色合い(テクニカラー?)も今や非現実的な雰囲気を出しています。

こういう名作中の名作っていうのをことごとく避けてきた私でありますが、時として唐突に見てしまったり。 名作っていうのは誰もが見ているんだから、敢えて私が見なくても世界は何も変わらない、とか、そういう屁理屈をコネてるだけなんですけどねぇ。

それにしてもこの映画、こういうストーリーだったんですね。 ヨットに乗って若者がバカンスぅ♪みたいなバカ映画かとばっかり思ってたら、なかなかのサスペンスであった、と。 さすが名作、良く出来てますねー。

圧巻はやっぱりラストシーン。 そうなるんだ!そうだったのか!ってね、驚いちゃったのなんのって。