片手斬り – 若さま同心徳川竜之助

手の怪我から四カ月ほどして、徳川竜之助は柳生全九郎の死を知った。「全九郎はわたしだ」との思いを持つ竜之助は、彼が探ろうとした謎の追及を開始する。風鳴の剣に秘められた宿命は? その謎を解く手がかりを与えてくれたのは、京にもどる途中の中村半次郎だった。一方、風鳴の剣を封印するという決意も固い竜之助は、その伝授を禁じるため、自ら師・柳生清四郎に戦いを挑むのだった。

「今月の風野真知雄」は若さま同心の最新刊、11巻目であります。 そうそうもう11巻目で、流石にテンションは落ち着いてきたものの、今のところ風野真知雄作品の中で(続いているのでみると)一番面白い作品なんじゃないでしょうか。 (田安家の)若さまがその座をいったん「おいといて」町に下り、なんと同心になって活躍しちゃうという、風野真知雄らしい設定の作品です。

十一男坊ていうのも奇妙な一致。

基本的には主人公の宿命をメインに・・・やっぱりこうなっちゃうのよね・・・、市井の出来事っていうんでしょうか同心稼業なんで仕事の事が絡んでいく、というパターンなんですけど、もう11巻目にもなりますと前者に興味が移っていきます。 幕末でもありますんで西郷どんとか出てきちゃうし、名前だけですけど新選組なんていうのもね。 でもこれは江戸に居ずっぱりの主人公に直接絡むのでもなく、なんともいえない読者サービスなような気も。 そもそも中村半次郎の登場からしてサービス満点ですものね。

さてさて話はどんどん動いております。 次回作が楽しみだなぁ。