西郷どんの写真は絶対にいかんのだッ。明治維新とともに腕に覚えのある北辰一刀流の剣を捨て、写真師となった元幕臣・志村悠之介。「西郷隆盛の顔を撮れ」という密命を受けた悠之介は西南戦争勃発前夜の鹿児島に潜入する。そこで悠之介を待ち受けていたのは、美しい女写真師、正体不明の暗殺者、そして“人斬り半次郎”こと桐野利秋ら、一筋縄ではいかない者たちだった。悠之介は果たして西郷の顔を撮れるのか?明治の裏面を写し出す剣豪写真師・志村悠之介の最初の盗撮行がいよいよ幕を開ける。
奥付を見ると1997年の作品なんだそうで、となるともう一昔も前になる訳ですけど、もう全然に風野真知雄ワールド。 西郷隆盛なんちゅーベタベタな題材ながらも、ちょいと面白い角度から切りこんでいくお馴染みの展開で、一気に読了したのであります。
結局目的も果たしたし、小夜もゲッツしたし、大団円なんでありまして、読了後も爽やか。 本そのもののサイズが面倒(棚におさめづらい)ながらも、なかなかにおすすめできるのでありますです。