岸田森目当てで見たんですけど(普通そんな見方しませんけど)、なんともはや豪華な出演陣。 80年代臭いっていう評判ながらもそれなりに面白かったです・・・いや、かなり面白かった。 劇団芝居っぽいところを除けば。
それにしても岸田森はもう出てきた時点で岸田森であり、そんな役柄でも岸田森であるところがすごい。 つーかまともな役回りを見たことが無いけど、もう居るだけで不条理の空気を立ち込めさせるところは私感服仕るです。
それにしても古館ゆきとか普通に80年代だけど、主人公の演技も思いっきり80年代。 んで、どっかで見たことがあるなぁって思ったら・・・利重剛じゃないのさ! しかもこれ、脚本持ち込みだったんだってねぇ・・・。 そうやって見ると感慨深いものが少なからずありますですね。
岡本喜八自身は下にある通り「もし『肉弾』の主人公がまだ生きていたら」というアイデアを持っていたそうですけど、確かにそんな雰囲気はありますね。 喜八ワールドではあるよなぁ。
ちなみにモノクロ映画です。 ATGなモノクロ映画。 素敵。
婦女暴行未遂で拘置所へ入れられた次郎(利重剛)は、そこで自分たちを独立国“ヤマタイ国”の閣僚と称する非行老人たちと知り合いになる。翌日釈放された次郎は、やがてヤマタイ国の老人たちと一緒に暮らすことになるが……。岡本喜八監督が、もし『肉弾』の主人公がまだ生きていたらというアイデアから連想していき、体制に逆らう戦中派老人たちの心情をコミカルに描いた奇想天外アナーキー活劇の怪、いや快作。小沢栄太郎、殿山泰司、財津一郎、藤木悠、岸田森、田中邦衛、本田博太郎など一癖も二癖もある個性派名優たちが喜八演出の下でみな快演しており、脚本・主演で岡本映画に初参加した若者・利重剛の世代とのギャップも楽しい。なお題名のチャールストンとは、世の中が右傾化などキナ臭くなるとチャールストンが流行するという説から採られたものだが、その楽曲と喜八映画ならではのリズミカルなカッティングの妙と実に上手くマッチしている。