もう3回くらいエントリーしているような気もするけど
ごくごく普通の中学教師が、プルトニウムを盗み出して自らの手で原爆を作り上げ、国家に挑戦していく姿を描いた、伝説の監督・長谷川和彦による反体制的ピカレスク・ロマン。一見荒唐無稽風でアラも多いが、それを凌駕(りょうが)する映画のパワーに満ち満ちている快作であり、20世紀を代表する日本映画の1本にこれを推す者も多い。
特に、前半の原爆を製造する際の描写が秀逸だ。いつもフーセンガムをふくらませている頼りなげな犯人を沢田研二が好演。また、彼が要求する事項が「TVのナイター中継を最後まで見せろ(79年当時は、放映時間が定められていたのだ)」とか「ローリングストーンズを日本に呼べ(当時、彼らは麻薬所持のせいで日本に入国できなかった)」と、何とも時代の空気を感じさせる。対する体制側には菅原文太というキャスティングの意外性もおもしろい。
この映画って長いんだけど、長いからって1回観ておしまいっていうのも勿体無いみたいですね。 私ももう何回みたかわかりませんが、新しい発見があるんです。 エンドロールに「森達也」だの「香山リカ」だの書いてあったし。 それと、刑事役の中に大杉漣に似た人がいたけど(東急の場面)、あれは別人なのかなぁ、とか。
それと、猫はガスで死んだのだとばかり思ってたのですけど、そういう無駄に残虐な映画じゃないんですよね。 あれは眠り薬みたいなもんで、猫はすぐに復活しるんだけど、その後、原爆が出来た後にバリを食べて(おいしいのか?)悶絶死しちゃうんですね。 あのバリは最後のほうのプールのシーンでも出てくるし、原爆そのものよりも存在感があったよなぁ(あの幻想のシーンはすごく気持ち悪い)。
それにしてもカルトな映画であります。 カルトだけど普通に面白い。 それなりにお金もかかってるし、面倒くさいシーン(東急を使ったりカーチェイスとか)なんかも結構ある。 ヘリから飛び降りるなんていう、突込みどころ満載のシーンもお約束でありますし。 1979年の映画なんだねぇ。もう何年前だよって話です。
これは必見な映画だと思うなぁ。