1974年、ウォーターゲート事件の汚名にまみれ、チャード・ニクソンは大統領を辞任する。“アメリカ歴史上、自ら辞任した初の大統領”という不名誉なタイトルをまとうが、事件に関する特赦を得、追訴を逃れ政界を去っていった。しかし、任期中の偉業をアピールすることで汚点を消すことを目論む彼はついに、 3年間の沈黙をやぶってウォーターゲート事件を含む単独インタビューに答えることを承諾する。ニクソン選んだインタビュアーの相手は、英・豪で活躍し、これを機会にアメリカ進出を目指すコメディアン出身のセレブなテレビ司会者、デビッド・フロストだった。誰もが以外な取り合わせに驚くが、お気軽なテレビの司会者フロスト相手のインタビューは、ニクソンにとって楽にこなせ、また、インタビューでアメリカ国民の心をとらえ政界復帰へチャンスを与えるもののはずだった。しかしながら、それぞれがブレインを抱え取り組むインタビューは、まさに頭脳戦による格闘技。ニクソンは、糾弾から逃れることができるのか?フロストは、国民への謝罪を勝ち取れるのか? 4500万人が目撃したインタビューとその裏側で起こっていた頭脳戦を完全映画化!
ウォーターゲート事件はあんまり知らない。 知らないけどこの時代は良く知っている・・・この映画を観終わってからだととても不思議な感覚に囚われるんです。 あんまり知らないとは書きましたけど、全く知らない訳じゃなかったし、この映画を見るにあたってざっとネットで情報を集めました。 あー集めだすとキリがありませんので、一般常識的に知るべきところだけを学んで(だから「あんまり知らない」)、後は映画を見ながらでいいんじゃね?っていう意気込みで、観たんです。
無論、無知のまま観ても面白くも何ともないと思います。 でも、ちょっとでも知っておいてから観れば何十倍にも楽しめるんじゃないでしょうか。 そもそもが息を飲む、相当に緊迫する頭脳戦。 どこかのレビューにもありましたけれど、ボクシングの試合にも通じるところがあり(セコンドいるし)、入り込んで観てしまう事請け合いです。 序盤は負けっぱなしだけど、最後の最後で丁々発止、打ち負かすところがすごい・・・グルーブ感が。
それにしてもニクソンを演じたフランク・ランジェラがいい味を出してます。 煮ても焼いても食えない年寄り(前大統領だけど)の存在感がバリバリで、ちょっとした不安定さも見事に演じています。 それとケビン・ベーコンも、すごーく抑えた演技で素晴らしい。 この人ってどの映画に出ていても安定した演技で安心できますよね。 「お!また出たか!見せてもらうぞ演技っぷり!」ってなもんです。 好きな俳優さんなんだよなぁ。
それと、ちょっとヘンな役をやらせたら天下一品のサム・ロックウェルも出てまして、今回はヘンな役ではありませんが、クセのある役どころで、なかなかいいですよ。 「赤ん坊を見といてくれ!」っていう台詞が私としてはツボでした。 それアドリブで、赤ちゃんの鳴き声は後から追加したんじゃないか?ってくらいに。
うん、面白かった。 これはオススメでーす。