赤ちょうちん

いたたまれない気持ちになるという評価のある映画らしいですけど

フォーク・グループかぐや姫の同名ヒット曲をモチーフに作られた青春映画。ひょんなことから知り合った政行と幸枝は愛し合い同棲を始める。しかし、赤ん坊が生まれたり、近所の嫌がらせにあったりで引越しを繰り返すうちにいつしか妻の心は壊れていく。

出会う、引っ越す、壊れるという感じの映画で、最後に主人公の女の子が精神を病んでしまうのが「壊れる」っていう部分なんでありますが、些か唐突な感じもし。 でも唐突なんてところで話をしたらこの映画は成り立たないですし、お話というものは唐突な場面になるのが面白いのでもありましょうしね。

1974年の映画っていう事で昔の東京が存分に楽しめます。 新宿だ調布だ葛飾(w)だ。 葛飾は土手のすぐ脇の貸家に住むんですけど、これがやたらと懐かしい。 私自身が足立区の生まれなもんですから、すごくすごく懐かしいです。 映画の中ではあぁいうのを下町と言ってましたが、そうなのかな?って違和感はありましたけども、まぁいいか。 なんかこう、よくよく見ると、舗装していない部分が結構あるんですよね。 今なんてもう基本が舗装道路でしょう。 でも昔は必要最低限なところだけ舗装してあるような感じだったんだよねぇ。

それにしたってこの若夫婦は乱暴というか粗暴というか。 赤ん坊の抱き方は大胆だし(首の座ってない赤ん坊をひょいひょいと)、赤ん坊のいる部屋でタバコ吸うだの、神田川にアイスを捨てるだの、山本コータローが演じた若者は白痴っぽいだの(これは関係ないか)。 勿論若い、という事で済ませているんでしょうが、こう・・・時代的なものもあるんじゃないかって思うんですよね。 白けた感じが。 あーそれとも私が単に年をとっただけなのか・・・

それはさておき、そもそもこの映画を見ようと思ったのは、別段秋吉久美子の裸が見たいからでもなんでもなくて、それはただただ横山リエ様目当てだったんです。

横山リエ様、相変わらずの眉毛っぷりで、主人公の友人の彼女で飲み屋に勤めているっていう役どころなんでありますけど、蓮っ葉っぷりと言いましょうかあばずれっぷりと言いましょうか・・・が芸術的に昭和でありまして、申し分のない横山リエ様っぷりでありました。 単にやさぐれてるだけなら主人公の女の子が入院した精神病院の看護婦が引けを取らない(し、実際問題あの態度はすげぇ)んですけど、そこは横山リエ様。 無邪気なところなんかがもうタマランチ会長であります。 ぁぅぁぅぁー

という事で一般にはまったくオススメできない映画ですけど、横山リエ様ファンには是非観て欲しい一作なんでありました。