思い出の指輪

自由な気風で名高い城南学園には、毎年卒業生の中から最もイカス男子生徒1名を選び出し、女子学生から美しい指輪を贈るという伝統があり、これを「ナルシスの指輪」と名づけていた。選ばれた指輪の学生は、全生徒の理想と名誉を汚すことなく行動し、1年後に次期後継者に指輪を受け渡すことになっていた。ところが、ここに大事件が起こった。ある日、この学園のOBであり、週刊プレイメイツの敏腕記者妹尾昌子(水森亜土)は南太平洋演奏旅行中の堺正章(堺正章) から緊急の電報を受け取った。昌子は「ナルシスの指輪」の運営委員であり、1年前大勢の反対を押し切って型破な青年堺に指輪の資格を与えたのだが、その堺が、旅行出発の際指輪を、なくしてしまったというのである。昌子はあわてた。折りもおり、今年の選考会がいよいよ始まろうとしていたからである。

ヴィレッジ・シンガーズ主演のGS青春映画。 私はそんなではないかえどそこそこにGSが好きなんで、GSな映画っていうと見てしまうんですけど、メジャーものはあんまり好きじゃなくて(映画の話ね)。 ヴィレッジ・シンガーズがマイナーだとは言えないとは思いますけど、映画的にはマイナーでしょ。

基本的にGS映画っていうのは時代的に見ても低予算早回し(プログラムピクチャっていうのは本来違う意味合いなんですってね)のお手軽作品が多く、脚本もあったもんじゃないのが普通なんですけど、この映画のドイヒーさは特筆に値します。 いきなりスパイダースが出てきて1曲演っちゃうんだもん。 山道で尾崎奈々にリヤカーを引かせるとか、なかなかないシチュエーションがわんさと出てきます。

ともあれヴィレッジ・シンガーズの映画っていうのは幾つかあるみたいで、これが一応は代表作らしいです。 曲名からとるっていう王道的なアレながら、ストーリーも無理矢理そっからひねり出したであろう事が容易に予測され、もしこれが「思い出の指輪」→「指輪」→「ナルシスの指輪」→「ナルシス」ときて自嘲的な意味合いを持つのならばまた話は別でしょうけど、そういう事は絶対にないでありましょう。 ド直球勝負なんですもん。

それにしてもヴィレッジ・シンガーズのみなさんが思いっきり印象薄く、ストーリーも大雑把で大したC級映画なんですけど、見所は沢山あります。 山本リンダと水森亜土という、ちょっと素面っぽくなく棒っぽい方々の出演は時代的に問題なしとして、何故かこの作品でも尾崎奈々がおいしいどころ取りをして(ジャガーズの映画でもそうdった)おるんですよね。 こういうところにプロダクション的な何かを強く感じちゃうんですよね。 それと、ザ・ダーツ。 冒頭でくりぃむしちゅーの人が出てきます(←似てる)。

それにしても発見だったのが道。 舗装してある道の両脇、U字溝との境に木が植わってるんです。 こう囲ってるんじゃなくて、アスファルトの割れ目からズン!って植わってる体なんです。 こういうのって昔はどこにでもあったとは思えないんですけど、なんか昔な感じがとてもしてねぇ。 あぁそして舗装はガタガタだったっていうね。