空気人形

『歩いても 歩いても』の是枝裕和監督が『自虐の詩』の原作者・業田良家の短編漫画を映画化したラブファンタジー。ファミレスで働く冴えない男が所有するダッチワイフが、ある朝、心を持った。人形は町に出て、レンタルビデオ店で働き始める。

「ラブドール」ってあいだけ言ってるのに、紹介文ではダッチワイフって言っちゃってる。 原作は原作、映画は映画なのに。 とか言ってみたりしたところでどうなるもんでもないけど、この映画はラブドールがどうこうする映画であります、というのと、この映画はダッチワイフがどうこうする映画であります、というのと、映画という興業ものではどっちが一般受けするのだろうかとか考えたり考えなかったり。

印象の薄い映画でありまして、結局何だったのかという不満が残ってしまったのですけれども、それよりなにより映像が美しいんですよね。 それだけで十分見られちゃうからたいしたものです。 これはどこなんだろう、深川とかそっちの方?古い東京の街並み、バブル景気に見捨てられた雑多な町並みを美しく撮ってますですなぁ。

それにしたって後半に突如雰囲気が変わっちゃうのはどうしたもんだろう。 ホラーになっちゃって。 マンションの真ん前に燃やせるごみとして人間を出しちゃう(体育座りしてる)ってアリなのだろうかw つかそもそもどうやって袋に入れて運んだのだろう。 どいだけ力持ちなのさ。 そういえば心を持った人形がどうやって周りの人達に認められたのか、っていうのも不思議っちゃぁ不思議。 心を持ったから人間化したのか、心を持ったまま人形のままなのか、その辺がよくわからないなぁ(線がついてるから後者なのだろうか)

一度見れば充分かな、というところでした・・・