そもそもは薬師丸ひろ子の神は、この作品について降臨したんであります。 やっとこさ観られました。
角川春樹が製作した一連の作品の中では最高傑作といえる作品。二十歳を迎えた薬師丸ひろ子を主演に、夏樹静子の原作を映画化しているが、原作はほとんど題名だけで、内容は澤井信一郎監督と脚本の荒井晴彦によるオリジナルと言っていい。劇団海の研究生・静香(薬師丸)は、トップ女優である翔(三田佳子)の愛人が死亡したスキャンダルの張本人となる代償に、演劇「Wの悲劇」で重要な役を得る。
二十歳の女性・静香と、ステージで彼女が演じる、祖父を殺してしまう真子。ふたりの女性の存在がダブる二重構造に、静香と薬師丸のキャラクターがまたダブるという多重構造が素晴らしい。愛人が死亡した現場で、女優として、女性として全存在を賭けたふたりの激しいやりとりは、二大女優のアクティング・バトルという点でも壮絶な迫力に圧倒される。
若き日の薬師丸ひろ子の映画でこれが一番の出来栄えだという一般的な評価が実は私にはわからなくて、一番かなぁっていうね、そんな気がしてるんです。 確かにこれは他の作品とは違う。 一種妙な緊張感に包まれている映画ではありますが、それは薬師丸ひろ子だけのせいではなくて、主に三田佳子のせいなんじゃないでしょうか。 そんなくらい三田佳子が気を吐く映画であります・・・けれど今、2011年の今、観ると、ちょっと悲しくなってしまいますよね。 倅が
さて(笑)、私はどうも世良公則という人が苦手っぽいので、それを差し引けない映画についてはどうこう言えないんですが、こう・・・観終わってから全体を総体的に思い直してみると、よく出来てるよなぁと思うのでありました。 名台詞も豊富ですしね。 高木美保なんかもクレジット見ますと「新人」とか書かれちゃってて、そうかそういう時代だったのか!と驚いてしまうのであります。
それにしてもあのラストはどうかと思う。 薬師丸ひろ子の映画はラストに恵まれていない気がします。