川端康成による同名小説を篠田正浩監督が映画化。妻子ある身でありながら、少女・音子を身ごもらせた過去を持つ小説家・大木。結果、音子は死産し自殺未遂を図る。そして、大木がそのことを題材に書いた小説が皮肉にも彼の出世作となり…。
山村聰に山本圭、この二人が父子だっていうだけでも衝撃的なのに、加賀まりこだし八千草薫はやたら若いし、さすが1965年であります。
実は私は川端康成の作品を1本も読んだことが無く、よく文学だなんだと言われますけれどもこの映画が文学的かどうかは全く解らず、篠田正浩監督という事で篠田映画そのものじゃないかよぉぃ!って印象が残ったのでありました。
そうなんです。 原作がどうかはわからないのですけれども、映画としてはかなり面白い。 カメラワークとか流石だよなぁって。 飽きさせないよなぁって。 ラストとかもね、普通あり得ない事をしてのけてるし、そしてそのまま「終」だし。
個人的には和宮の墓を、というエピソードの部分が大変興味深かったです。 エピソードの内容はさておき、どうしてあれを入れたのか、しかも案外に長く。 ちょっと今までの流れとは変わって、一歩後ろに下がったと申しましょうか、カメラワーク的にそうなんですけれど客観的なんですよね。 和宮の墓から・・・という話をどうして客観視して眺めなければならなかったのか、私にはわからなかったんですけども、ともあれ印象的でした。 あのシーンの流れが一番好きだなぁ。