モンド・ミュージック(ムック)

モンドミュージックという言い方を今でもしているかどうかは知りませんけれど、少なくとも私がこの手の音楽ジャンルに興味を持ったのはまちがいなくこのムックのおかげというかせいでありまして、これって名著なんじゃないかって思うんですよね。

奥付を見たら最初のやつの初版が1995年になってましたんで、私が一番CDを買いまくっていた事に符号します。 そうそうその頃、モンドというジャンルが唐突に出来ましたよCD屋さんに。

当時私が好んで買っていたのはジャーマン・ロックで、その流れでサイケ、ローファイ(?)というところだったでしょうか。 ただ、貪欲すぎましたんでCD屋さんに行きますっていうと(思い出したその頃は仕事の途中で御茶ノ水に行ってました。ユニオンにね。)、全てのフロアを一周しなくては気が済まなくて、ジャズの階で見たサン・ラが違う階のモンドコーナーにもあって、「?」って思ったのがきっかけなんですよね。

今思えば「?」の直後に「!」となって買ってしまったんですが、その位の若さの勢いで、モンドというものを吸収しちゃったんですねぇ。

ただモンドというのがなんなのかはよくわかっていないまま、私は長野県に引っ越してしまい、ちょっとの間CDを買わない時期に突入してしまいまして。

モンドって、そういうジャンルがあるわけではないんですよね。 「おたくさまのバンドはどんなジャンルの音楽を演奏しているんですか?」 「あーはいはい、モンドです」 みたいな会話は成立しないと思うんですよね。

これまでにB級C級と呼ばれてバーゲン棚に置いてあったような音源が、モンドとして再評価されたっていう事らしいんですね。 内容があまりに突飛で、単にB級だなんだと捉え切れないものがたくさんあったらしいですよねぇ。

ただ、私自身その頃十分にB級好きでしたんで(売れてなさそうな新譜を買ったり、中古屋では無理と安いのを買い漁ったりとか)、要するに私の好きな傾向の音源が評価されてるんだなーって思った程度だったんですよね。

そしたらこういうムックが出て。

今はこういうカタログ的なムックって少ないと申しますか皆無かと思いますけど、まだまだインターネットが一般化されていなかった当時、こういうのが重宝されてたんですよね。 ジャケット写真とキャプションを眺めて、今度CD屋に行ったらこれとこれとこれとこれを探そう、なんてメモしたりなんかしてね。

この3シリーズは今読み返してもすごい。 読み応えがありますなぁ。