フォーク・グループかぐや姫の同名ヒット曲をモチーフに作られた青春映画。同棲相手の元から逃げ出してきた妹とその兄の不自然な共同生活を描く。肉親愛と肉欲という近親相姦的な危うい境界線上をふわふわと浮遊するような妹役を秋吉久美子が演じる。
藤田敏八監督作品なんだけど、実に藤田敏八監督作品らしい空気なんですよね。 ストーリーっていうか設定に多少の無理があるんだけど、なんとなく押し通しちゃって。 なんか変じゃない？って思える終わり方をするんだけど、まぁいいかと納得しちゃうっていう。 納得「させちゃう」感じでは決してなくて、しょうがないからこっちが妥協しとこうか、という感じなんです。
だからそういうのがダメな人には藤田敏八監督作品は一切ダメだと思います。 一家心中のところとか、笑って済まさないと不条理すぎて泣きたくなってしまいますもの。
この映画の見所は、どうしてこういうのが追加されているのかが謎なんですけど、ひし美ゆり子のシーンに尽きるんじゃないかと思います。 ひし美ゆり子、すごくいい。
あーそれと、私は村野武範が全然好きじゃないんですが、この作品に出演している村野武範のよくわからない演技を見て、あぁこの人は演技とか以前にこういうキャラなんだって感じたんであります。 まぁこの時代だったらいいのかな、と。
ともあれ、難解ではないけどよくわからない映画なんで、好き者さんにはおすすめ。