明治百年、すぱいだーす七年(ザ・スパイダース)

何がすごいってスパイダースは、これが一番っていうアルバムが無いっていうか、決められないっていうか、そりゃ全部持ってはいませんけれど、持ってるのはことごとく好きになっちゃうっていう話であります。 カバーもね、選曲もそうですしアレンジもね、こう小じゃれてるんですよね。 すごいなぁって、他のバンドとはちょっと違ってオトナだよなぁって(オトナなんですけどね)。 うん、そしてオリジナルもいいですよね。 作曲家さんに書いてもらったのもそうですし、バンドのオリジナルのも、いいんだよなぁ(だいたいフリ・フリに聴こえてしまう弊害はあります)。

浅草凌雲閣がジャケットの本作は、それにしたって好きな一枚。 タイトルの通り、1968年は明治100年に相当し、スパイダースの結成7周年なんだそうな。 ちなみに私が生まれる1年前であります。 サージェント・ペパーズの影響を受けたと書いてありまして、確かにそう。 その点はかなり劣化しちゃってるんですが、これは愛嬌。 聞き逃しちゃってもいいと思います。 あ、曲の始まりの部分ね。

しかしながらちゃんとした楽曲(?)の方はもう申し分ありません。 もう1曲目からいいですね。 特に私が好きなのが「ミスター・タックス」。 元ネタが有名すぎて口が裂けても言えませんが、それを凌駕して余りあるおサイケなぶっ壊れ方にムッシュの才能を感じさせずにはいられません。 多少は悪夢ですよ、この曲。

んでスパイダースをよくよく聴いてみると、マチャアキってそんなに歌がうまくないというか、シャウトは合格点すぎますけど、音が出なかったりとか全然普通ですよね。 でね、それがいいんですよ。 あーマチャアキ若いなぁ、って。 頑張ってるなぁー。 コメディー路線も納得済みですこっちはー。 ってそういう話なんですよ当方としちゃぁ。

ごった煮上手で、丁度器用貧乏っぽい部分もあるのかしら。 でも貴重ですよね、スパイダースという存在は。

明治維新100周年の68年に発表された6作目。ビートルズの『サージェント・ペパーズ』の影響を受けたコンセプト・アルバムとされている本作は、サウンドはもちろん、各メンバーがソロを取る曲を並べた構成など趣向もさまざま。見開きジャケットにはウォーカー・ブラザーズの顔写真も。