プロデュースに元タンジェリン・ドリームのクラウス・シュルツェを迎え、(「M・オールドフィールド/チューブラベルズ」のために作られた名スタジオ)ヴァージン・マナー・スタジオでレコーディングされた2ndアルバム(’76)。電子音楽~ジャーマン・プログレを代表するK・シュルツェとのコラボレーションにより、前作を上回るよりエレクトリックなサウンドとなり、さらにはジャム・バンド・スタイルのインプロヴィゼーションを主とした演奏へと変化していった。 ツイン・キーボードをメインとした美しいシンセサイザー群とジャム・セッション風のリズムが絡み、ライヴ感を重視したサウンドはここで一気に開花しバンドは全盛期を迎えることになる。 ほぼ同時期に録音されたK・シュルツェの名作「MOONDAWN」はサウンド面で酷似しており、またタンジェリン・ドリーム「リコシェ」に匹敵すると世界的に評価され、全世界的に影響を与えた‘事件’となった名盤だ。
どちらかと言うと素朴な風合いのファーラウト(Far out)の方が私は好きでして、素朴っていうのは違うのかな、普通にプログレである、ピンクフロイド風味であるファーラウトがですね、聴き直せば「お!」って思うんですよ。 でもね、ファー・イースト・ファミリー・バンド(Far East Family Bandに昇華してこそのね、ファーラウトだったと、前身バンドであったと、思うんですよ。
ただ、手放しでファー・イースト・ファミリー・バンドを好きだとは言えなくて。 こう・・・演奏とかは好きなんですよ。 スペーシーでプログレで。 壊れていない所が日本人っぽい(ドイツ人は真面目に壊れるような気がします)なぁって。
でもね、録音がねぇ。 これミックス(プロデュース)をクラウス・シュルツェ(Klaus Schulze)がやってるそうなんですけど、本人はこの出来栄えをどう思ってるのかなぁって思うんですよあたしゃ。 なんかバラバラというかちぐはぐというか、まとまりがないんですよね。 こう、うまい具合に溶けちゃってるとか拡散しちゃってるんだったらね、それは意識下で作用もしちゃうのでしょうけど、そうじゃないように、いつも聴いてしまうんです。 惜しいんだよねー惜しいんだよー。
という、すごく個人的な感想ですんでね。 しかもミックスの話ですからね。 私の偏った好みがね、本当ごめんなさいよ?
あ、それと! ジャケットは非常にヤバいです(笑
宮下フミオを中心に頭脳警察の左右栄一らと1971年結成。当初はハード・ロックを得意としていたが、同年、宮下が喜多嶋修とのアルバム(サイケデリック・フォークのスタイルでスケールの大きな精神世界を描いた)『新中国』をコラボレーションしたことがきっかけとなり、ゲストに喜多嶋修、ジョー山中を迎え、そこで試みたコンセプトを拡大していったのが本作だ。 AB面各1曲全2曲の構成は、60年代サイケデリック・ムーヴメントにあった解放感に、タンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツらのエレクトロニクス手法を加え、さらにはより深い精神世界を表現したトータル・コンセプト・アルバムとなっている。瞑想的世界を音像化した本作は、世界的にもタンジェリン・ドリーム『エレクトロニック・メディテーション』と並び賞された名盤である。翌74年、解散。宮下はこのコンセプトを受け継ぐファー・イースト・ファミリー・バンドを結成し世界に進出する。
ちなみに、前述の前身バンドのファーラウトのこれの方が、ジャーマンっぽいかどうかは疑問だけど(おサイケなハードロックじゃね?的な)、ミックスがいいと申しますか好みと申しますか、ともあれ聴きやすい。 内容じゃなくて、ミックスが。
それにしても2曲入りっていうのがね。 どうだって話ですよね。 20分弱の曲が2曲入ってるっていうすごさ(ちなみにドイツ盤だったかはボーナストラックがごっちゃり入ってた筈)。
それにしてもジャーマン・ロックと比較するのはどうかなぁって思いますよ。 実際のところ。