エルドン78年の作品。エレクトロニクス系の実験的な作風であったが,この作品にバンド形式でクリムズン的なダイナミズムを感じるもの。20分弱の大作「ボレロ」,フリップばりのギター・ワークをフィーチュアした「スタンバイ」が聴き物。
有名どころのフランスのロックと言えば私にとってはマグマかエルドンか、っていうくらいでありまして、がしかしエルドンが有名どころかと言われれば厳しい面があるかも知れませんでして、Richard PinhasがRobert Frippかぶれでなかったとしたら、いや果たしてもっとマイナーだったかも知れないと考えると・・・別に面白くもなんともありませんけれど、Heldonって言いますかRichard Pinhasって言いますと、どうしてもKing CrimsonだのRobert Frippを引き合いに出さなくちゃならないのがかえって悲しいのではあります。 Robert Frippのギターがあまりにも個性的だから仕方ないですけどねぇ。
それにしてもこのStand Byは傑作なんじゃないかと思われます。 これの前のInterfaceもいいんですけど、とりあえず1枚!とすればやっぱりStand Byかなぁと。
もう一曲目から凶暴すぎて困ります。 先に引き合いに出したKing Crimson(Redの頃のね)もウンザリしちゃうような直接的な暴力装置としての音楽が無遠慮に提示されるんです。 んでそれが14分間とか続く、と。 これだけで名盤の誉れ高くなっちゃうんですが・・・と思って今聴き直してるんですけど、うーんうるさいこれ(笑 そして誤った方向に対してテンションが上がってしまう・・・。
結構その一曲目(Stand By)ばかりが注目されるんではありますが、他の曲もいいんですよね。 2曲目なんて、あからさまにプログレで、あーこういうのも演奏するんだなー、つって、つった後に「笑」とか付けちゃいそうなくらいのプログレっぷり。 シンセサイザーとかもふんだんに使って、複雑な構成で、こう・・・何々「っぽい」とか何何「らしい」のが得意なバンド(人)なのかなぁって思いますですなぁ。
おそらくLPの時はB面を埋めたであろう3曲目以降は組曲形式(インプロの比重が多そう)になってて、Pt4なんか思いっきりギターがRobert Frippなのが微笑ましい。 あ、そうそう、「無遠慮」なRobert Frippね。
ということでエルドンなんでしたが、どれを買ってもこういう音楽の方向性だというわけではありませんので要注意です。 対極にあるフリップ&イーノみたいなのもありますからね、買うんだったらこのStand Byかなぁって思ったのではありました。