「90年代になって渋谷系周辺を中心に再評価」されたっていうのを今初めて知って、なんで渋谷系がこれなんだろうと思ったところでもあり、渋谷系って何?って話でもありますけど、私としては今、再評価していたりで遅咲きでごめん。
最初に聴いたのが大瀧詠一がアレンジしたやつで、全然ごちゃごちゃしてるじゃん、なんて思いまして。 なんか予想していたのと全然違う!って。 こういうのがアルバムレベルで延々と・・・っていうのも、悪くは無いけど今は聴きたくないなぁって。
・・・アルバムは細野晴臣プロデュースで、全く音数が整理された、ボーカルの良さを引き立たせるアレンジになってるんでした。 よくよく聴くと「細野的」なところが見え隠れしてるんで、もしやと思ったんですよね。 そしたらそうだったっていう。
1972年でこれっていうのはすごいですよね。 抜きん出たボーカルであります。 そうね、透明感とか清涼感とか、です。 日本もまだまだ捨てたもんじゃないって思います。 あー今は捨ててもいいですけど、こういう過去の遺産を大事にしたいですねぇ。 息子に伝えたいですねぇ、こういう音楽がいいよーって。
1972年に発表された最初のソロ・アルバム。90年代になって渋谷系周辺を中心に再評価が高まり、いまや女性シンガーソングライターの古典的傑作といえる存在になった。細野晴臣、鈴木茂、林立夫らはっぴいえんど人脈のミュージシャンが数曲でバックアップしているが、装飾をつける程度の控えめな演奏に終始し、ほとんどは金延幸子のアコースティック・ギターとヴォーカルだけで成り立っている。彼女の最大の魅力であるヴォーカルは余計な音を必要とせず、自身の清涼感のあるアコギだけで十分なのだ。見事に透き通った声でまっすぐに歌われ、わずかにヴィブラートするそのヴォーカルは、芯の太さや力強さもあわせもつソウルフルな歌声といえるし、スキャットやフェイクの部分では風が吹くような爽やかな表情も見せる。日本人にしてはめずしく乾いた質感をもっているということも含め、ジョニ・ミッチェルに通じるヴォーカリストである。再評価されたのも、このシンプルなアプローチゆえのことだろう。