復讐の歌が聞こえる

殺人百科を身につけた凄い男が復讐のページを開く!
狂犬、模型飛行機、熱湯風呂とありとあらゆる手段で殺人を犯し、復讐を敢行する主人公。
その裏に潜む13年前に仕組まれたドス黒い罠に挑むミステリードラマ。
本作で銀幕デビューとなる原田芳雄が復讐に燃える男を熱演。

映画としては作りが甘いような気がして、それが原作のせいなのか、原作のせいなのか、それとも原作のせいなのか、はたまた映画化における部分によるところなのかはわかりませんけれども、延々と復讐をして終わっちゃうという、平坦な印象の映画でありました。

だもんで、基本的には全然おすすめできない。

ただ、原田芳雄のデビュー作ということで、原田芳雄(本名:原田芳雄、東京都足立区出身)がデビュー時はどういう役者さんだったかを確認するにはうってつけの映像素材だと割り切ってしまえば、もしくは内田良平っていう人はいいねぇって再確認するとかしちゃえば、まぁ・・・それでも厳しい映画ではあります。

果たして原田芳雄はデビューからして既に原田芳雄でありました。 むしろ、原田芳雄というアウトロー風キャラは既に出来ていて、それを追っていく役者人生だったのではないかと思わせる程に完成していたのには驚かされました。 逆に顔立ちや声が若いのが「笑えてしまう」位の勢いで。

私が注目したのは冒頭のシーン。 拘置所から出て着いた駅が小菅っていう事は、小菅拘置所っていう事でいいんですよね。 1968年とかのここいら・・・以前住んでいた私には新鮮に映ったんですよ。 小菅駅なんて旧駅舎でね、これが本当に存在していたのか?っていうくらいにしょぼい。 ちっちぇえ階段をトントンと登ると駅、みたいな、仮駅舎じゃないのかっていうくらいにコンパクトな駅だったんですね。 というか昔の写真を見ますってぇと、駅っていうのは多かれ少なかれこんな感じだったみたいですね。 今・・・というか近年のように鉄筋コンクリート造なんていうのはあり得ない時代だったんだねぇ。 時代だなぁ・・・私が生まれる1年前だったんだなぁ。

それと、その小菅拘置所から小菅駅へ向かうであろうシーン。 土手を歩いていくんですけど、これ構図おかしいですよね。 そもそも駅へ向かうのに土手っぱたを歩く必要はありませんし、拘置所から駅は、(荒)川北側の西向きに歩くんで、川の左側の土手を向こう方面に歩くのはおかしいと思うんですよね。 もしかして小菅の拘置所じゃぁないんだよ、的な、小菅駅って書いてあるけどあくまでフィクションね?的な事なのかねぇ。


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