らもトリップ

中島らもというよりは、木村文乃目当てで観たのですけれど、覆った見事に覆った。

本作には関係者インタビューが収められており、「逸話」が様々に語られており、それはそれはウンザリするくらいな楽しさなんではありますが、それよりもです、それよりもインタビューよりも、中島らも原作を東京藝大の人が監督してるショートムービー3作がそれぞれに良かったっていう話なんですよ。

「中島らもなら何かをぶちこわす力を与えてくれるのではないだろうか。」みたいな言い訳がましい事はさておくとして、やっぱり原作がいいとアレだよね、先ずは原作だよね、って思ったのでありました。

それと、エンディングクレジットで流れる曲が、あの「いいんだぜ」っていうのは衝撃を越えて失禁しそうなレベルであります。 そうかテレビとかラジオじゃなければいいのかこれ。 いやぁこれすごくいい曲(詩)なんだよねぇ。 すごい愛なんだよなぁってさ。

中島らもが急逝して早7年。
彼が生前よくつぶやいていた言葉「いいんだぜ」。
どんな人間がいてもいい。どんな生き方があってもいい。
本作品は東京芸大生が中島らものそんなメッセージを受け取り映画に仕上げた。
中島らもの生き方に強くシンパシーを抱いたからである。
このよくわからないもやもやした世の中、何か突破口が必要だと感じた。
「中島らもを描きたい」
「中島らもなら何かをぶちこわす力を与えてくれるのではないだろうか。」
その一心で本映画は企画から制作、配給、公開までのすべてを東京芸大が中心となり製作した。
それでも中島らもの意志を汲み、決して説教臭くならず、湿っぽくならず、パワフルに破天荒に描き出したのが本作品である。
著作小説のオムニバス映像化と関係者インタビューから映画を構成し、アーティストをとことん味わい尽くす「アーティスト体感映画」が誕生!