「東宝50周年記念」作が「大作」で「東宝50周年記念大作」と銘打たなければよかったのに、そうもいかない事情だったのは重々理解できながらも、あまりの大敗の為になかなかソフト化されなかったのは、観てみると涙ながらに痛感するのではあります。
が、そもそもおかしいだろ。 「殺された飼い犬の復讐に燃えるトルコ嬢が、加害者を包丁でぶっ刺して殺スペースシャトルで笛を捨てる」っていう内容なんです、簡単に書くと。 簡単に描いた割には後半で日本語表記的に尋常じゃないブレが見られますけれど、そういう映画なんですもの。
ただ、巷で言われるような難解さっていうのはそうはないんじゃないかって思うなぁ。
大作を求め目指す、なんていいましょうか意気込みみたいなのが強すぎて、獰猛に舞台を食い荒らしたはいいけど、あまりの引き出しの深さにまとまりがつかなくなっちゃった。 っていう程度だと思うんですよね。 よし、大作だ!大作なんだから宇宙だな!ちょっとNASAに協力してもろてくれ!みたいな始まりから、NASAの協力を仰いだのはいいけど、どうして映画につなげていこう・・・よし、ここは笛を・・・みたいな帰結に。
だから難解なのではなくて、ドイヒーなんですよ。
このジャケットなんですけど、こう・・・なんだろ、くノ一みたいな格好した女性が包丁持って走るっていう。 これ、何事かと思いますよね。 なんの事はない、衣装はトルコ嬢のそれで、走りやすいように袖を破いてるんですよね。 なんで走ってるかっていうと、愛犬殺しの犯人に「走り勝つ」為なんですよ。 なんだよそれ。
正直そんなに見所はないような気もする。 ただ、主人公のナレーションの恨み節っぷりはすごい。 ちょっと狂ってるもの。
橋本忍原作・脚本・監督で贈る東宝50周年記念大作。何者かに愛犬を殺された女の復讐劇を戦国時代、そして宇宙空間まで展開して描いた、奇想天外なSFサスペンス。出演は南條玲子、隆大介、星野知子ほか。