ドラマ版は確か、第1回を途中でやめてしまったような記憶があって。 こう、ちょっとNHKらしくない内容だなぁって思って。 直感的に拒否してしまって。
ですけど映画版を観たのは、ドラマ版よりかは短いだろうから(短いのですけど2時間強ある)ストーリーも濃縮されているだろうし、ドラマ版と違ってえげつないところは存分にえげつないだろうからそれなりに原作に近いのではないだろうか、と、原作も読んでいないのに勝手に決めつけていたいのでありました。
それにしたってこの映画はすごい。 あっという間に観終わってしまった。
ともあれ原作を読んでいないので細かいところの差異なんていうのは知りませんけれど、そもそもこのストーリーってこういう感じだったのかと、自分の勘違いを悔やんでしまったです。 単に乳児を誘拐した、って話じゃないんですね。 不倫相手の妻の子供を誘拐するんでしたか。 あぁこれは・・・
出演者もすごくいいです。 病んじゃった系の「母」二人、森口瑤子と永作博美が先ず筆頭となりましょう。 会話途中で段々と崩壊していく前者と、追手の空気を察すると途端に息遣いが尋常じゃなくなる後者。 特に前者はぶっかけぽんの面目躍如であります(謎)。
劇団ひとりはさておき、子役もさておき(前者はさておき後者はかわいい)、井上真央に関しては文句のつけようがないところでありまして、一気にファンになってしまったです。 ひねくれちゃったようなひねくれていないような、閉塞しちゃったようなしちゃっていないような、微妙な感じがちょっと私のハートを撃ち抜いちゃったです。 今後は条件反射的にニュースサイトで反応してしまいそう。 「井上真央」←これに
で、意外なところが小池栄子でありました。 登場の仕方からやたらと違和感があって、キャラクター的にも猫背っぽい(というか顔が前に出る?)薄気味悪い雰囲気。 どういう意図で主人公に接近(取材)してんだろうと思ってて。 自分の事は言わないのかなーって思ってて。 そしたら「マロン」だって。 へ?マロン・・・・?・・・・マロン!なにー!?っていう大どんでん返し。
ともあれ、面白かったです。 必見であります。
今日まで母親だと思っていた人が、自分を誘拐した犯人だった。
1985年に起こったある誘拐事件―。不実な男を愛し、子を宿すが、母となることが叶わない絶望の中で、男と妻の間に生まれた赤ん坊を連れ去る女、野々宮希和子と、その誘拐犯に愛情一杯に4年間育てられた女、秋山恵理菜。
実の両親の元へ戻っても、「ふつう」の生活は望めず、心を閉ざしたまま21歳になった恵理菜は、ある日、自分が妊娠していることに気づく。
相手は、希和子と同じ、家庭を持つ男だった。過去と向き合うために、かつて母と慕った希和子と暮らした小豆島へと向かった恵理菜がそこで見つけたある真実。
そして、恵理菜の下した決断とは・・・?