生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言

1985年にこれだった。 原発ジプシーが1979年で、その文庫化が1984年であったというから、絶妙のタイミングだったのでしょうか・・・。 ちなみに沖縄返還は1972年(!)で、コザ暴動は1970年です(コザ騒動のあった頃には変換は決まっていた)。

ストリッパー、ジャパユキ、原発ジプシーというモチーフの中で一番のメインは原発となります。 現代が現代なのでアレですけど、またこの映画も原発の闇の姿を浮き彫りにしているとこも相まってますけど、だもんで反原発的な印象が残るんではありますけれども、申し訳ないですけど私はそこから何も見出さないことにしました。

そもそもがこれ、原田芳雄主演作品なんです。 それ目当てで観たんです、そもそも。

いやぁ良かった原田芳雄。 この作品でも「原田芳雄」以外のなにものでもなかったですし、いよいよ「原田芳雄」でありました。 荒っぽくて乱暴で、取り敢えず酒飲みで・・・・・今回は関西訛りで被爆者だった。 倍賞美津子との「肉感カップル」もおどろおどろしく(?)、とてもかっこいいんです。 ラストとかもね、いかにも原田芳雄らしいラストだったと。

主演してる人達も豪華で、油を入れ忘れたってんで酒飲んじゃう殿山泰司とか、ノイローゼ教師の平田満、被曝負傷者で埋められるも掘り起こされる泉谷しげる(素晴らしい!)、ヤクザと警察を同一線上に置くことにいっつも成功しちゃう梅宮辰夫と小林稔侍とかね。 すごーくキャクターが立ってるみなさんが勢揃いして我も我もと前面に立ってるんですよ。 これ、これがこの映画の見所なんですよね。 そう、左とん平も!

それと「アイちゃんです、ご飯食べたー?」でお馴染みの上原由恵なんかに至ってはインパクトが強すぎて笑っちゃうくらいであります。 なんだろこれ、なんだよこれって。

この映画は喜劇に属するそうな。 ちょっとそれわかんないけど、私に言えるのは、この映画は必見だって事です。 すごく面白かったですよ。

旅回りのヌード・ダンサー、原子力発電所を転々と渡り歩く“原発ジプシー”、娼婦、ヤクザ、そして悪徳刑事にダメ教師――これらのハミダシ人間たちによって巻き起こる面白くも哀しい人間ドラマが、次から次へとエネルギッシュな見せ場を生み出していく。
公開と同時に大反響を呼び、’85年度の邦画ベスト10上位に選出された話題の作品。倍賞美津子が主人公のダンサー役に体当たりし、第9回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、各映画賞に輝いた。そのほか、原田芳雄、平田満、泉谷しげる、梅宮辰夫といった実力派が脇を固めて重厚な群像ドラマを紡ぎ出している。監督は、映画「喜劇・女生きてます」「時代屋の女房」などを手掛けた俊英・森崎東。