1969年~1970年に放送された、原田芳雄主演の刑事ドラマ。それまで背広姿で堅いイメージだった刑事ドラマの刑事のイメージを根底から覆し、ジーパンスタイルでジープを乗り回す“はみだし刑事”を主人公にした、当時としては異色作だった。
死んでしまってから、いやそれよりも前に病にかかってから再評価されて、ちょっとしたらまたもとに戻って・・・って、なんともまぁ無情なもんですけど、それでもこうやって大昔のドラマが発掘されてDVD化されるのは嬉しい事であります。
特にこの五番目の刑事は、1969年から1970年にかけてNET(現テレビ朝日)で放送されていたとのことで、私が生まれた当時でありますから知る由もなく、今回初めて知って観たっていうところです。
放送当時が当時ですし、舞台が新宿(「ジュク」って呼ぶのがすごく格好いい)で、原田芳雄演ずる元祖はみだし刑事が、そこいらの悪いお兄さんお姉さんたちと丁々発止ですからね。 面白くないわけがない。 周りをぐるーりと取り囲むみなさんも、中村竹弥(よくある悪いご家老)とか工藤堅太郎(よくある股旅)とか常田富士男(よくあるまんが日本昔ばなし)とかね、説明しないとわかんないような人達が出てましてね、最初はなんだこれ地味だなぁって思うんですがね、それがだんだんと味わいを帯びてくるから不思議なんです。 んで半分くらいで桑山昭一が外れて殿山泰司と交代するんですけど、この交代劇も地味ながらも味わい深いですよね(桑山昭一は最終話でカメオ出演するんだけど、違和感なく出演しているのでおかしくてたまらない)。 地味なんだ。 でもいいんだよね。
いいんだよね、とは言ったけど、どうなんだろう。 もう40年も前で、私だって生まれてすぐの頃だし、当時の視聴者っていうのがどうなのかな、って。 どういうふうに観ていたんだろうって。 「いや俺新宿に住んでるけど、新宿こうじゃねーしw」とか「いやー東京さおっがね”とごだなやー」とか? わかんねーですけど。 そもそもに、なんて破天荒な刑事ドラマなのか!みたいな評価だったのかしらねぇ。 まったくもって見当もつかないですけれど。
時代が時代だから、フーテンとかね、学生運動とかね。 そうそう、都電が走ってましてね。 都電が走ってる時代なんですよ! 都電がねぇ・・・とても雰囲気が良くてねぇ。 線路っぱたがどうにもやさぐれた雰囲気でねぇ。 併せて花園神社も執拗にロケーションされてるんで、その北西側の、今では歩行路になってるところがメインの撮影地だったんでしょうなぁ。
・・・懐かしモードに入っちゃったけど。