小津映画の特徴と魅力を実際の小津作品の映像を引用しながら吉田監督自身のナレーションで語る。
前にも書きましたとおり、いやむしろ今でも小津安二郎作品は一切観た事がなく、観たいとは思っているんですけど今ひとつ踏み切れない。 だので、とても好きな映画監督でありますところの吉田喜重さんが語る小津安二郎って事で、これを先ずは観たのではあります。 NHK教育の番組だったんですね、これ。
1:サイレントからトーキーへ|映画との出会い 反復とずれ
2:戦中戦後の軌跡|映画が言葉を発するとき
3:『晩春』と『東京物語』|限りなく開かれた映像
4:その短すぎた晩年|無秩序な世界につつまれて
全4回の番組だったと。
タイトルで語られているように、反復とそれに伴い現れるズレ、そして無秩序。 このキーワードが何遍も何遍も語られ・・・それすらも反復に内包されている・・・通して観るとうざったくなるほど。 テレビ番組・・・各話の間にじゅうぶんなインターバルがあることを想定しての番組作りなのかな。
それにしてもここで語られる小津安二郎は、例えば(個人的なのか)パブリックイメージであった「秋刀魚の味」ではなく「東京物語」であって、各話の冒頭に同じシーンを繰り返し流す。 視点は視る側だけではなく視られている側にも存在する、という、ホームドラマ然たる作品では決して語られないであろう論点を強烈に(しつこく)示すのであります。
わかった。 そいじゃぁそのうち「東京物語」を観ようじゃないか。 んでその次に「秋刀魚の味」ね。