海燕ホテル・ブルー

11・25自決の日、よりも前に公開されたけれど、撮影は後だったのだそうな。 っていうのはどうでもいいとして、いやどうしようもなくない。 遺作の1つ前の作品ということになるからであります。

箱庭的というか閉鎖的な世界の中で鬱々と展開されるストーリー。 それはメインの舞台になっている島や、刑務所といった表面的なもの以外がかもしだしています。 こう、もううんざりしちゃうくらいの息苦しさ。 そして若松軍団のみなさんがこれでもかってほどに大挙しておくれでありまして、この周辺の作品群の中でも抜群の若松度であります。 音楽は・・・ジム・オルークが武満徹っぽくやってみました、という感じかなぁ。 印象に残らなかったなぁ。

ところでこのヒロインっていうんですか?女性は必要なのかな、って思ってしまったり。 そんなに魅力的でもなく、あんまり意味なく脱いでおったり、消えたり現れたり(これはよい)。 特に、最後の台詞なんかは、本当に必要なのかと。 まったく喋らなくてもよかったのではないかと思うのでした。

若松軍団の人達は、前科者をやらせたら似合いすぎるので封印して欲しいです。

インディペンデント映画界・伝説の巨匠・若松孝二が描くノワールサスペンス

・『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』の大ヒットで完全復活した日本映画界の裏帝王・若松孝二最新作!
・日本ミステリー小説界の巨匠・船戸与一によるハードボイルド代表作、待望の映画化!
・ヒロインはCHANEL、FENDI、ARMANIなどパリコレや、UNIQLOなどのCMで活躍するトップモデル片山瞳。 男たちを惑わせる謎の女を、オールヌードの体当たりで演じ切る!

古くからの盟友であり、日本を代表するハードボイルド作家の第一人者・船戸与一氏の原作を映画化した『海燕(かいえん)ホテル・ブルー』。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』・・・とハードな人間ドラマの傑作を連発し、何度目かの絶頂期を向かえている76歳の巨匠が、イマジネーションと幻想に満ちた映像作家としてのもう一つの魅力を余すところなく発揮したのが本作であり、ファンにとっては、『処女ゲバゲバ』『犯された白衣』といった初期の代表作を想起させる、唯一無二の映像作品が完成した! !

主演は、トップモデル・女優として活躍する片山瞳。男達の人生の歯車を狂わせる幻想的なファムファタールをオールヌードを含めた体当たりで挑む。
その他、井浦新、地曵豪、大西信満といった若松組常連の俳優陣が、破滅していく男たちを演じる。

辺境の地での個的な闘いの物語を得意とする船戸与一の異色作。
人間の情念の狂気、男たちの共同幻想が、一人の女によって崩れていく様を描いた同作が、若松の映像によって全く新しい世界に生まれ変わった。完成した作品に色濃く漂うのは、まさに60年代の若松プロが描き続けていた、荒野の中の閉塞感。目の前に広がる黒い砂漠。海。溶岩だらけの山頂。どこまでも広がっているのに、どこへもつながっていない風景だ。これは果たして現実か幻想か。交わされた約束も、心に誓った復讐も、風景の中で朽ち果てていく……。

そんな60年代を彷彿とさせる若松孝二の映像に、ジム・オルークの旋律が奥行きを生み出す。
ニューヨーク・パンクシーンの伝説的バンドであり、日本でも高い人気を誇ったソニック・ユースのジム・オルークは、若松監督作品に参加したいと日本語を覚えたという異色の音楽家。「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」以来5年ぶりのタッグを組む。