ちょっと江戸を散歩してみませんか。理屈や趣味やウンチクにとらわれるよりも、はとバスにでも乗った気分で出かけてみましょう。名ガイドが、明るく案内する浮世絵、歌舞伎、戯作、怪談、珍奇なものたち…遠い昔の江戸の街が、ホラ、こんなに身近で、愉快なワンダーランドだったなんて…。タイムマシンに乗って、別天地へようこそ。
よくある江戸時代のウンチク本かと思ったらそうでもなかった。 著者の杉浦日向子という人が印象に薄い私は、読了して・・・いやそれはウソ・・・ググって調べてみたものです。 もう8年も前に亡くなっている、早逝だったと。
それにしても時代が時代なので文体に香ばしいものを感じる(日本語をカタカナで表記するなど)ところではあり、一見おじいさんみたいな印象を受けるのではありましたが、執筆していた頃はまだ20代だったわけで、あぁ時代だよねぇっていう。
大奥のところが面白かったなぁ。
とてもとっつきやすい。 これを読むと江戸時代に興味が湧くんじゃないかって思うんです。 あーこの著者の別の作品にも興味が湧きますですけどね。 こういう一面で江戸時代を紹介してくれるのか、と。 この切り口は新しくて面白い、と。 なんかね、そう思わせるんですよね。 なんだこの人、すごすぎるだろう。
ということで江戸時代について大変おもしろく読ませて頂いたのですけれど、更に興味深いのは終盤。 なぜか21世紀について思いを馳せている。 まだ結婚もしておらず、発病もしておらない頃に書いた、21世紀に馳せる思いを目にすると、こうなんというか、感慨深いものがないではないところではありました。