隅田川を渡る風が土手道の葉桜を揺らす頃、改築なった小梅村の尚武館坂崎道場に、二十有余年の廻国修行を終えたばかりの老武芸者が現れ、坂崎磐音との真剣勝負を願い出た。その人物はなんと直心影流の同門にして“肱砕き新三”の異名を持つ古強者だった―。
前も書いたけど坂崎磐音の年齢的な設定が私の年齢と近いことがあって・・・いや違う、巻を重ねてあるところで不惑となり、あぁ私と同じだぁなぁと思ったところで、すごく共感したんですよね。 別にあたしゃ武士でもありませんしね、共感したっつってもどうかって話ではあるんですけどね。 ただ、すごく「老い」を感じさせる部分に共感を得てね、この巻にしたって老眼鏡を土産にもらって喜ぶところなんかね、私も最近老眼(遠視じゃない)になってきましたんでね、あぁそうか・・・ってちょっと落ち込んでみたりもしてるんですよ。
それはさておき磐音が、これまた更に老いたる存在の、おこんの父である金兵衛に諭される・・・シーンがこの巻でのハイライトでした、個人的に。 まぁ諭されるって感じじゃないんですけどね。
居眠り磐音江戸双紙は50巻で完結するとの事。 あと5巻。 正直、田沼父子との確執なんかもうどうでもよくなってきた。 金兵衛の言葉が伏線になってると感じさせるのではありまして。