何者かによって誘拐されてしまったがき大将デブ長を追って、3人の中学生が行動を開始。しかし、彼らはやがてヤクザのいざこざに巻き込まれていく…。
相米慎二監督の過激ともいえる長回し撮影が良くも悪くも印象に残ってしまうキッズ・ムービーの異色作。出演している者すら、自分たちが一体何をやっているのかわからなくなっているほどの描写は、ある意味で映像のスペクタクル的効果を生んでおり、観ている側もワケのわからないままにひたすら圧倒され続けていく。
自分が女の子であることがイヤでイヤでしょうがないという幼いヒロインを、これがデビューの河合美智子が好演。また長瀬正敏の記念すべきデビュー作としても、ファンには広く知られている伝説の作品でもある。
ストーリーを思い返すと「なんだっけ?」ってくらいなれど、出演者の不思議な存在感とカメラワーク、そして(そこに付随するように思えば)長回しという技法がとても印象に残る作品。 長回しは撮影手法だと割りきってしまえば、そこにわざわざ娯楽としての映画の楽しみを見出すのは酷かもしれませんけれども、実際に観てみれば、圧巻だとは言いませんが印象に残るものであります。
相米慎二という今はいない監督の作品で、誰?って言われたら答えるのが、台風クラブの監督ね、とか、セーラー服と機関銃の監督ね、とか。 そう言われれば「あーなるほど」って言われる。 そういう作風なんですねぇ。
なんていうのはおいといて、なんつっても私はこの作品、藤竜也目当てで観たんでありましてね。 すみませんけど若い出演者はちょっとわかんないですし、それよりも木之元亮とか桑名正博、「先生覚せい剤打たれてかわいそー」の原日出子なんですよね。 悪徳警官な伊武雅刀なんですよ。 とにかく若い主役さんたちからみるとオトナは勝手で悪く汚く映ってるんですけど、その中でも「シ◯ブを打たなきゃ何も言えないジイ様」と言われてしまう中年の悲哀たっぷりなシ◯ブ中の藤竜也がですね、もうどうなんだろうどうしょうもないんですよね。 キマっちゃって日本刀を振り回すシーンとかね、もう悪夢ですよね。 っていうかあれば悪夢っていう設定なのかも知れないねぇ、花火とあいまって。
話といえば川で、水でって連想しちゃうところでして、この作品では川のシーンが印象的。 あ、海のシーンもある。 水辺のシーンがすごく印象に残るんですよね。 あちこちに川があってそれが映ってて、水が引けちゃってるのもあればそうじゃないのもあるし。 そうそうあと、あれはなんだろう木場?でのチェイスのシーン。 あれもやたらと長回しで、最後はトロッコで逃げちゃうっていう、すごく場当たり的なシーンだとは思うんだけど、すごく心に残るんですよね。
でもストーリー的にどういう事になってて・・・とかはよく憶えていない。 そういう映画なんですよね。