結局のところ、ジャーマン・ロックなのかクラウトロックなのか。 っていうか結局同じなんだけど、人に紹介する時「ジャーマン・ロック」つっても通じない場合が多いのに「クラウトロック」なんて言ったらほぼ百発百中わかってもらえない。
クラフトワークみたいな、って言えば「あーはいはい!」ってなもんなれど、カンって言ってみると、目ざとい人(ていうかニューウェーブを経た人)は「とか、ノイとか」って返してくれるけど、実際聴いていない人が激しく多い。 すごく不満だった。
でも普通、そうだろ。
カン、クラフトワーク、ノイ! 、クラスター、ファウスト、アシュラ・テンペルなどなど、70年代のドイツ・ロックの、ミステリアスで壮絶な実験──
通称クラウトロックのカタログ、definitiveシリーズでお馴染みのele-king booksから刊行!
クラウトロック──レディオヘッドからデトロイト・テクノにまで絶大な影響を与えた1970年代のドイツ・ロック。
根強い人気を誇り、いまだ再発盤のリリースが絶えない。プログレッシヴ・ロック・ファンからクラブ・ミュージック・ファン、オウガ・ユー・アスホールに代表される若い世代にまで幅広く聴かれ続けている。
『クラウトロック大全』は、1960年代末クラウトロック黎明期から1980年代初頭のノイエ・ドイチェ・ヴェレまでの主要作品をはじめ、ファン必見のレア盤、コレクターズ・アイテムなど700枚以上のディスクを紹介。
音楽ファン待望のカタログ本だ。
著者の小柳カヲルは、長年、クラウトロック関係の仕事に携わり、多くのミュージシャンたちと対面し、現在もレーベルを運営しながらドイツ関係の音源をリリースしている。
ジャーマン・ロックといえばマーキーから出てる「集成」にとどめをさすんですが、これにしたってもう一昔も前の書籍であり、ディスクカタログっていうんですかディスクガイドっていうんですか、はその後見たことがない読んだことがない。
というところに今回、奇跡の発刊を遂げたのがクラウトロック大全。
「集成」と比べれば収録数は少ないものの、今の、2014年時点でのジャーマン・ロックの存在を再確認するのに非常に貴重な資料となっているんですよ。 あれから突然のブームが起きて、やれ来日ラッシュだの来日記念盤だの、こんなの絶対にCD化されないだろうっていうアイテムがCD化されるだの(著者の尽力によるところが大きいことがわかって驚く)、ジャーマン・ロックを理解するに足りる資料は音源でも書籍でも出揃った。
後はお前ら、聴きなさいって話ですよ。