尾道に住む老夫婦、周吉ととみが東京で暮らす子供達を訪れるために上京する。子供達は久しぶりの再会で2人を歓迎するが、それぞれ家庭の都合もあり、構ってばかりはいられない。結局、戦死した次男の嫁、紀子が2人の世話をすることになる。老夫婦は子供達がすっかり変わってしまったことに気づくのであった。
小津安二郎の、いわゆる「ローアングル、カメラ固定、人一人を真正面から撮る」で有名な小津映画をもしかしたら私は、初めて通して一つ、観たのかも知れない。 断片的にはそれこそ飽きる程見ていたのだけれど、いつかはちゃんと観なくてはなぁと思いつつ幾星霜。
最近こういうのが多い。 相変わらず生活に追われていろいろができないけれど、合間を縫って合間を縫って・・・。
さすがに名作と言われるだけに、文句のつけようがない(映画というものに文句をつけようと思ったこと自体がないけど)内容であります。 原節子という人はもっと線の細い雰囲気の方かと思いきや、そんなことはないんですね。 それが一番のびっくりかな。 あと、笠智衆はいつだって笠智衆だった。
物語は今に通じる、というかこの時点(戦後まもなく)で家族というものが崩れていく様を映画にしてたんだから、もう半世紀以上もこんなんなんだねぇ、と。
地方にすむ年老いた夫婦が、遠くにある東京で住んでいる子供たち(大阪にもおる)のもとへ顔を見に行く、というのが話の筋と申しましょうか発端なんですけど、現実は冷たい。 子供たちは家庭があり、仕事に忙しく、両親をろくすぽ構えない(構わない)。 唯一親身になるのは戦死した次男の嫁、つまりもとは他人の女なのだ。 というね。
正直、淡々としてて逆に観ているのが辛かった。 こんなの、やだなって思ってね。