シンガー・レディ

恐らくは私、しばたはつみはオンタイムで知らない。 知らなかったということが今では悔やまれるって話で、YouTubeなんかであれこれ漁るっていいますとすごい歌唱力で、こりゃたまりません。 ポップスもソウルもいけちゃうジャズボーカリスト、といえばよろしいのでしょうか。

いくつものアルバムを発表しているのでありますが、なかでもマストなのがこの「シンガー・レディ」でありまして、1975年の作品。 全面的に大野雄二が関わっていて、っていうか大野雄二のアルバムにしばたはつみがボーカル参加しているんじゃないかって思わせるほどのルパン度なんですよ。 しかもこのアルバムのリリースは1975年っていったでしょ、ルパンは1977年ですから。 ルパンよりも2年も早かったんですよ。 なのに思いっきりルパンなんですよ。 しばたはつみは不二子ちゃんなんですよ。

そんなこんなでルパンが頭をうずめく中で聴くと違和感をおぼえるかもしれません。 それはこのアルバムのタイトルが「シンガー・レディ」だからなんです。 曲名も歌詞も「シンガー・レディ」なんでありまして、こういうミュージカル(もちろんしばたはつみが主人公で、本人の半生を描く的な)があってもおかしくはないほどのトータルコンセプト。

このしばたはつみの「我」が絶妙に大野雄二サウンドと拮抗していて、このアルバムは名盤と呼ばれるのであります。

好評の昭和アーカイブス・紙ジャケこれくしょんシリーズ。
今回は昭和50年代に大活躍した、ファンからの再発リクエストが多い「しばたはつみ」のアルバムを復刻します。
しばたはつみは、ジャズやポップス、歌謡曲まで幅広く歌いこなす実力派シンガーとして人気を得ました。
2010年、心筋梗塞で惜しくもこの世を去りましたが、美貌と歌唱力を兼ね備えたヴォーカリストとして、今でも多くの人々を魅了し続けています。